ドイツの税金(ドイツの所得税)
海外で働く際に避けて通れないのが「税金」の問題です。特にドイツは、社会保障制度が充実している一方で、税制が複雑であることでも知られています。ここでは、ドイツで働くうえで知っておきたい主要な税金について、所得税を中心にご紹介いたします。
所得税(Einkommensteuer):累進課税で最大45%
ドイツの所得税は、個人の所得に応じて課税される累進課税制度を採用しています。2025年の所得税の課税区分は以下の通りです。
年収(ユーロ) | 税率 |
~12,084ユーロ | 0%(非課税) |
12,085~17,430ユーロ | 約14~24% |
17,431~68,430ユーロ | 約24~42% |
68,431~277,825ユーロ | 42% |
277,826ユーロ以上 | 45%(最高税率) |
このように、収入が増えるほど税率も上がる仕組みとなっており、年収が高いほど税負担も大きくなります。所得税は、健康保険料・年金保険料などの社会保険料を差し引いた後の「課税所得」に対して課されます。
また、ドイツでは源泉徴収制度が採用されており、給与から自動的に所得税が差し引かれます。年末には確定申告を行い、過不足があれば還付または追加納税が行われます。
付加価値税(Umsatzsteuer):消費税に相当
ドイツでは、商品やサービスの購入時に**付加価値税(日本の消費税に相当)が課されます。標準税率は19%であり、食品や書籍など一部の生活必需品には軽減税率7%**が適用されます。
この税金は企業が徴収し、国に納める仕組みとなっており、日常生活においても広く影響を及ぼします。
不動産税(Grundsteuer):土地・建物の所有者に課税
不動産を所有している場合は、不動産税が課されます。税額は、土地や建物の評価額、所在地の自治体が定める税率(賦課率)に基づいて計算されます。これは毎年支払う必要があり、住宅を購入する際には事前に確認しておくことが重要です。
教会税(Kirchensteuer):信仰に応じて課税
ドイツでは、キリスト教(カトリックまたはプロテスタント)に所属している場合、教会税が課されます。税率は**所得税額の8〜9%**で、州によって異なります。信仰を持たない場合や、教会を正式に離脱した場合は課税されません。
資産税(Vermögensteuer):現在は実質的に廃止状態
かつて存在していた資産税は、現在のところドイツ全体では課されていません。ただし、将来的に再導入される可能性が議論されており、特定の州での導入が検討されることもあります。
税制は複雑、専門家への相談が安心
ドイツの税制は、個人の収入、家族構成、居住地、信仰の有無などによって大きく異なります。そのため、正確な税額や控除の内容を把握するには、税理士(Steuerberater)や税務顧問に相談することが強く推奨されます。
まとめ
ドイツで働く際には、所得税をはじめとするさまざまな税金が発生します。給与の額面だけでなく、手取り額や税負担、社会保険料とのバランスを考慮することが大切です。海外転職を成功させるためには、税制の理解も欠かせない要素のひとつです。
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