Connecting...

前の記事に戻る

【対談:ドイツで働く 第2回】保険の専門家に聞く、ドイツ企業に就職するために必要なこと

Posted 約2ヶ月 前 by Ayako Suzuki

W1siziisijiwmjevmdgvmduvmdmvmdevmjkvztkzotfmmzetzgy1zs00zmuzltkymjqtzdnimthjm2zinzc4l%2boakowvvuirh%2b%2b8muodieocpoodhoobp%2bwdjeobjydnrkwy5zue44cr5l%2bd6zm644gu5bcc6zaa5a6244gr6ige44gp44cb44oj44kk44oe5lyb5qwt44gr5bcx6ig344gz44kl44gf44kb44gr5b%2bf6kab44gq44gt44golmpwzyjdlfsiccisinrodw1iiiwiodawedm1mcmixv0

欧州最大手 保険会社 Allianz X JAC Recruitment
 

「ドイツで働く」をテーマに、ジェイ エイ シー リクルートメント ドイツのシニアコンサルタント鈴木が、ゲストと対談いたします。


第2回は、ヨーロッパ最大手の保険会社Allianzで働く上田怜さんをお招きし、ドイツ企業をターゲットとした就職活動の体験談と、ドイツに中・長期で滞在する方が知っておくべき保険の話を伺いました。

日本人がドイツで働こうと考えたとき、一番身近な選択肢は日系企業への就職です。一方、言語面のハードルが高く、求められるスキルや成果に対する難易度がぐっと上がるのがドイツ企業への就職。上田さんは、いかにしてそのチャンスをつかんだのでしょうか。

そこには、「ドイツで結果を残す」という上田さんの覚悟がありました。人生を懸けた挑戦の舞台は、保険の会社。命とお金に関わる仕事です。

生活を守るために必要だと分かってはいるけど、保険の細かい契約内容をドイツ語で理解するのは大変なことで、そこを当地に住む日本人や日系企業のためにサポートするのが上田さん。保険と就職、異なる分野で在独邦人を支援する二人の対談となりました。



 

鈴木:「ドイツで働く」をテーマにした対談企画の第二回目は、上田さんにお越しいただきました。

ドイツで就職・転職する場合、日本人にとっては日系企業の方が身近ですが、上田さんのようにドイツ企業やインターナショナルな企業で活躍している方もいらっしゃいますね。上田さんの場合は、どのような経緯でAllianzに入社されたのでしょうか?

 

上田さん:上田怜です。よろしくお願いします。私は高校卒業後にアメリカへ留学し、現地の短大を卒業してからドイツに来ました。デュッセルドルフの大学を卒業し、2017年からドイツの保険会社Allianzで個人・法人のお客様をサポートしています。

就職活動の際は日系企業ではなく、自分の強みを活かすためにドイツ企業に絞って活動していました。

 

ドイツ企業が求めるのは即戦力!セールスストーリーで自分を売り込む

 

鈴木:どのような方法で就職活動をしていたんですか?

 

上田さん:StepStoneなど求人サイトで、それこそばら撒くようにたくさんの履歴書を送っていました。でも最初の半年くらいは何も起きないんです。応募した会社から返事すらなくて……。

「どうしよう」「ちょっとやり方を変えないといけないな」と思って、応募書類にストーリーを加えました。

「デュッセルドルフという街は、日本人が多く住んでいる街です。私を雇っていただければ、日本人全員を御社のお客さんにします!」
 

少し大袈裟かもしれませんが、それくらいのアピールをしました。すると、ドイツで皆さんが知っているような会社から面接に招待されたんです。そこでやっと、どうすればドイツ企業に自分を売り込めるかが掴めたように思います。ドイツ企業は即戦力を求めているということを意識し、その線で就職活動を続けた結果、Allianzへの就職が決まりました。

今でこそ四六時中お客様の保険や金融商品について考えていますが、保険の知識ゼロからのスタートだったので、最初の2年間はかなり苦労しました。少しずつできることを増やし、入社前に自分が言ったことを実現するために日々奮闘しています。

 

鈴木:「たくさんの会社に応募した」というお話ですが、具体的に「たくさん」とはどのくらいですか?

 

上田さん:多い時は週に10件。それを半年ほど続けました。コツを掴んでからは早かったんですけど、手応えのない期間が長かったです。

 

鈴木:人材紹介会社を利用しようとは考えなかったんですか?

 

上田さん:友人から、「こういう方法もあるよ」と、人材紹介会社を通して就職した体験談を聞いてはいて、それもありかもしれないと思っていた矢先に、今の会社に採用されました。

 

鈴木:まさに自力で勝ち取った仕事ですね。ドイツの企業で働きながら、ドイツに住む日本人や日系企業とやり取りをしているなかで、ドイツと日本の社風の違いを感じることはありますか?

 

上田さん:難しい質問ですね。お客様のなかには駐在員の方も現地採用の方もいらっしゃいますし、会社の規模も業種も異なります。一概には言えない話ではありますが、もちろん日本とドイツの違いを感じることはあります。

 

例えば、日本であれば「お客様は神様」という表現がありますが、ドイツではせいぜい「王様」程度でしょう。ドイツでは、日曜祝日はレストランなどを除いてお店を開けることができません。金曜の午後に連絡すると、「これから用事があるからまた来週にして」と担当者に言われることもあります。

 

また、プライベートと仕事は完全に切り離していて、仕事の後に同僚とどこかに行ったり、飲みに誘われることも基本的にはないです。ドイツ人は空気を読んだりしないので、思ったことを言わずに黙っていると、この国では損をします。

 

たまたま私の上司はオランダ系ドイツ人で、好きにやらせてもらっていますが、ほかの保険代理店に勤める同期のなかには辞めてしまった方も結構います。「雇ったからには、売り上げを上げてもらわないと」っていうプレッシャーはすごくありますから。

 

鈴木:外資系の保険会社はかなり大変なイメージがあります。

 

上田さん:メンタルは鍛えられますよね。私は入社当初、個人賠償責任保険を売るのに時間がかかったんですよ。それこそ半年くらい。でも、「頑張っているから大丈夫だよ」と言ってくれるような上司だったので、助かりました。

 

ドイツにきて、何が何でも結果を出すという覚悟が大事

 

鈴木:ドイツで働きたいと考えている人に事前に知っておいて欲しいこと、メッセージは何かありますか?

 

上田さん:ドイツ語と英語ができた方が就職活動は楽ですよね。でも、日本から来てすぐにドイツ語ができる方ってほとんどいないから、どちらかと言うと自分の専門分野を確立し、知識も経験もあるのがいいですよね。

でも、私のように知識ゼロでも就職はできますし、やろうと思えばなんとかなる。そういう意味では「何が何でもドイツで結果を出す」という覚悟の方が大事なんじゃないかなと思います。

日本とは考え方も習慣も違うので、最初の1〜2年は「なんでこんなことに!?」っていう戸惑いが毎日あると思うんです。けど、それでもドイツに住みたいと思うなら、ここで自分が何を達成したいのかを理解している方が壁を乗り越えられるし、強いと思います。

 

ドイツの保険の話。入っておいた方が良い保険は?

 

鈴木: ドイツで現地採用として働く方は公的健康保険に、駐在員はプライベート健康保険に入っていることが多いそうですね。公的保険に加入している方の場合でも、それだけでは心配な場合に個人でAllianzのようなプライベート保険に追加で加入するんですよね?

 

上田さん:そうです。公的健康保険の加入者が個人で保険に入っていないと、例えばクラウンやインプラントの治療をする場合、数千ユーロもの自己負担が発生します。

 

鈴木:ドイツで暮らす日本人が、保険について知っておくべきことや気をつけるべきことはありますか?

 

上田さん:まずは、習慣も言葉も考え方も違う国ですので、「日本ではこうだった」という考えは一度捨てていただけるとありがたいです。

その上で、私が特におすすめしているのが、弁護士費用保険と個人賠償責任保険です。

 

  • 弁護士費用保険

問題や事件に巻き込まれて相手から法的に訴えられることがあります。弁護士費用は少なくとも 1 時間当たり数百ユーロ。裁判ともなれば、さらに多くの時間とお金がかかります。弁護士費用を負担する経済力がない場合は泣き寝入りすることになりかねませんので、弁護士費用保険にはあらかじめ入っておくことをお勧めします。

  • 個人賠償責任保険

思いがけず人に怪我を負わせてしまったり、物を壊してしまったりして、賠償請求を受けた時に守ってくれるのが個人賠償責任保険。日本ではあまり馴染みがありませんが、ドイツでは9割以上の世帯がこの保険に入っています。

 

鈴木:ドイツで働く方向けの保険について、最近の傾向などはありますか?

 

上田さん:企業年金は、2019年に法制度の改定があり、加入者が増えています。数年前に日本で2000万円問題が騒がれていたので年金の心配をしている方は多いと思いますが、ドイツでも公的年金だけでは老後、暮らせないと言われています。会社が積み立ての一部を負担するケースも増えています。

年金と同様に少子高齢化によりバランスが崩れている健康保険に関しても、企業が従業員の保険料を一部負担する企業用健康保険(bKVを導入する企業も増えています。

ほかにも、年金を受給する前に病気や怪我により働きたいのに働けなくなってしまった場合に、生活レベルを維持するための就業不能保険Berufsunfähigkeitsrenteもあります。

 

鈴木:福利厚生の観点でいうと、特にドイツの日系企業に現地採用で働く場合は、福利厚生と呼ばれるものは、本当に何もつかないことの方が一般的です。交通費も住宅手当も給料に全て含まれているという考え方。

でも、良い社員に長く働いてもらえるよう、企業年金や企業用健康保険を検討する日系企業もあります。日系企業の採用責任者の方から、「社員の福利厚生として、ドイツでどんなことができますか?」とご質問いただくこともあります。

 

まずは雑談から。お気軽にご相談ください(上田さん)

 

上田:職業、収入、家族がいるかなどの状況によって必要な保険は異なります。大事なのは自分が今、置かれている状況を理解して優先順位をつけることです。そしてその手伝いをするのが、私のような保険の専門家です。

 

鈴木:上田さんのお仕事も私たちのお仕事も、ドイツで働く方をサポートするという点では一緒ですね。保険の契約内容は特に難しいので、日本語で相談できる方がいるのはすごく心強いです。

就職や転職をサポートする際も、現地の事情や労働法の違い、雇用契約書の読み方など日本とは違う面があります。事前の情報収集やコミュニケーションがとても大切だと思います。

 

上田:私の仕事は、ざっくばらんに話せる環境を作っておくことだと思うんですよね。契約して終わりではなく、そこから何かあったときに話してくださる関係を作れれば、状況が変わったタイミングでその都度、契約内容の見直しや調整をスムーズに行えます。

 

鈴木:まずは相談からですね。これからもよろしくお願いします。本日は、ありがとうございました。

 

構成・文:高橋萌

ドイツを拠点にフリーランスのメディア編集者/ライターとして活動しています。「移住者たちのリアルな声でつくった 海外暮らし最強ナビ【ヨーロッパ編】(辰巳出版)」ではドイツの章を執筆。ドイツ大使館ブログYOUNG GERMANYで「ワークスタイル研究室」を連載。日本とドイツで活躍する皆さんを鋭意取材中です。

 


ゲスト:保険会社Allianz保険コンサルタント 上田怜さん

2017年よりAllianzで保険コンサルタントとして、日本語でドイツの保険や金融商品の契約手続きをサポート。高校卒業後に米国へ渡り短大を卒業し、その後ドイツの大学で学びながら日系企業での就業経験もあり。卒業後の進路をドイツ企業と定めて就職活動の末、現職を掴んだ。

問い合わせ: rei.ueda@allianz.de

ウェブサイト: http://www.allianz-joosten.de

 

ホストJAC Recruitment Germanyシニアコンサルタント 鈴木 彩子

JAC Recruitment Japanで約4年間の経験を積み、マルタ共和国へ英語留学。当地で現地採用され、2011年からヨーロッパでのキャリアをスタート。ドイツへは2017年に渡り、現在、JAC Recruitment Germanyに所属しています。

 

この記事をシェア